hasaqui連載 第二回 日本の黎明期コンピュータアートを再考する
hasaqui連載 第二回 日本の黎明期コンピュータアートを再考する
川野洋は稀有な存在である。60年代のアジアでコンピュータアートを制作し、しかも美学者として、その制作について様々な論考を著した者は他に例をみない。川野のコンピュータアートは、60年代、高度経済成長期における日本の国産コンピュータ開発の進展や、日本の美術シーンにおける前衛のムーブメントといった諸条件の中で、偶然か必然か川野が芸術の情報理論に出会ったことで成立した。確かに川野のコンピュータアートの作品は日本に限らず海外でも折々で紹介されてきたが、そのコンピュータアートの制作の背景にある哲学や、プログラムに対する川野の考え方について、実際の論文が顧みられる機会は少なかったと思われる。そのため、今回は川野の70年代半ばまでの歩みを確認しつつ、膨大な川野の著作からいくつかの論文をピックアップして紹介し、考察したいと考える。
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